Ankiを始めたいけど、Ankiの操作方法がわからない人向けにこの記事を書きました。
Ankiのインストールから、問題作成、学習までの基本的な操作方法の流れを書いていきます。
その他画像や動画、音声を追加する方法、学習中に音声ファイルを再生する方法も教えします。
Ankiを使いこなして、勉強効率を上げていきましょう!
より詳しい情報が必要な方はAnki User Manualをご覧ください。
そもそもAnkiって何かわからない方、Ankiの良さが知りたい方は下記の記事を読んでください
リンク
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Ankiで長期記憶を強化する効果的な使い方
2022/4/5
医学や語学など、膨大な量を覚えようとしてもすぐに忘れてしまう…そんなあなたに最も必要なのは、忘れかけた物事を「思い出すこと」とそれを「反復」することです。決して何度も同じことをインプットすることではあ ...
目次
ソース
この情報は、 PC 版のAnkiアプリ バージョン 2.1.49 に基づいています。
iPhoneやiPadなど、他の端末で扱うAnkiMobileやAndroid用AnkiMobileの方は若干の違いが出ると思います。
AnkiMobileの扱い方はこちら、AnkiDriod2の方はAnkiDroid 2 取扱説明書を参考にしてください。
Ankiとは?
Ankiとは、分散学習(Spaced Repetition)ができるフラッシュカードです。 思い出しやすさで次の復習のタイミングをAnkiが決めてくれるので、覚えにくいカードは頻繁に復習し、簡単に記憶できたカードは時間をあけて復習することができます。
つまり、最小限の復習で最大の成果を出してくれるシステムがAnkiというものなのです!
Ankiを毎日続けることで、分散学習の効果を飛躍的に上げることができます。
また、Ankiはいつでもどこでも復習しやすいように、Mac、Windows、Linux/BSD、iOS(iphone, ipad, ipod touch)、Androidなどいろいろなシステム上で使うことができます。また無料のウェブサービス AnkiWeb を経由して、端末間で学習内容、履歴を同期することができます。
つまりアプリがない端末でもWebにアクセスできるならAnkiを使うことができるのです!
Ankiには、ユーザーが作ったデータを共有するコミュニティがあり、 カードを作らなくても共有単語帳ですぐに学習が始められます。また、アドオンを使えば簡単に機能拡張することができます。 もちろん、自分で作った単語帳を共有したり、アドオンと作ってAnkiに機能追加することもできます。
これをAnkiの沼というらしいです…
Anki学習の動画
まずは下記の動画を一度見ていただくと流れが頭に入ってくるかと思います。
入手方法
Anki2は、AnkiオフィシャルサイトからMac、Windows、Linux/BSD版がダウンロードできます。
iphone、iPadの方はAnkiMobile Flashcardsというアプリをダウンロードすることができます。
現在3060円で販売されていますが、その価値は十二分にあると思います。
単語帳を買うよりもAnkiで生涯単語帳を作る方が生産的です。
言語設定
ダウンロードファイルを解凍し、最初に起動すると言語設定の画面が出ます。ここでユーザーインターフェースに使いたい言語を選択してください。
設定した言語は、環境設定画面から変更することができるので安心してください。
起動直後に開くメインウィンドウ
言語設定が終わると、メインウィンドウが開きます。
メインウィンドウには使用中の単語帳一覧を表示します。学習中でもウィンドウ上部の[デック]リンクをクリックすると、この画面に戻ります。
Default
という単語帳があると思いますが、これは削除することができません。Default
の中身が空の場合、他の単語帳があれば表示されなくなるので、表示したくない場合は別の単語帳を作りましょう。
問題の登録
問題を登録してみましょう。 [追加]をクリックすると、ノート追加用のウィンドウが表示されます。
表面フィールドにはカードの表面に表示する問題を、裏面フィールドには裏面に表示する解答を入力します。[追加]を押せば問題を登録できます。ここで登録した一組のデータをAnkiでは ノート と呼びます。
Ankiでは、ノートデータのHTMLを指定してデザインを装飾することもできます。上記は医師国家試験の問題をアレンジしたものです。
HTMLを編集するには、ショートカット(Mac OS X: Command+Shift+X, Windows: Ctrl+Shift+X)を使って HTML エディタを呼び出してください。
既定ではDefaultという名前のデッキにこの問題を追加します。保存先を変更するには、ウィンドウ右上の[デッキ]ボタンを押してください。
また登録した内容は後から追加や削除、変更もできます。「検索」から変更したいカードを呼び出してください。
画像、音声、動画の登録方法
Ankiではメディアファイル(画像、音声、動画)登録することができます。
メディアファイルを読み込みたいフィールドにドラッグアンドドロップすることで登録できます。ウェブブラウザや他のアプリで表示している画像をAnkiに直接ドロップすることもできます。コピーアンドペーストでも取り込めます。
音声や動画のなどのメディアファイルを読み込むときには、上部のボタンの並びから[クリップ]を押して読み込むこともできます。
テキストの読み上げ
Ankiでは音声ファイルを用意しなくても、フィールドのテキストをPCに読んでもらう (発音する) こともできます。発音がわからない単語があったとしても、PCが代わりに発音してくれるので、英語を勉強するときに非常に有用です。AwesomeTTSというアドオンが必要となるので、利用してください。
単語帳の一括登録
問題を一つ一つ作成するのが面倒な場合には一括で問題をAnkiに登録することもできます。CSVファイルで用意すればテキスト情報だけでなく、画像や音声、動画ファイルも一括で作成可能です。
例として、医師国家試験の国試とCBTの問題を一括で登録する方法を載せておきます。参考にしてください。
登録したカードの確認
Anki のデフォルト設定では一日の学習の上限値20を設定しているので、20以上登録した場合は、学習をはじめても全部のカードを見ることが出来ません。
上限を上げたい場合には全ての問題を解き終わった後のカスタム学習機能から設定できます
登録したカードを全てを確認したい場合は、「検索」から探したいデッキを指定してください。
学習の進め方
デッキから指定した単語帳を選ぶと、学習を開始することができます。
問題が表示された後、[解答を表示]ボタンを押すと罫線をはさんで問題と解答が現れます。
ウィンドウの下中央に4つのボタンの中から、記憶状態に応じてボタンを選択してください。
[もう一回]ボタンは、忘れてしまった時に押します。ボタンの上に表示した時間後に再度出題します。既定では1分後です。解答を記憶し直しましょう。
[難しい]ボタンは、なんとなく答えがわかったときに押します。規定では6分後に再度出題します。
[普通]ボタンは、覚えていた場合に押します。既定では10分後に再度出題します。
[簡単]ボタンは、覚えていて簡単に感じた場合に押します。このボタンを押すとこのカードの学習は終了し、既定では4日後に復習が設定します。
問題を解答していき、全ての問題の復習期日を翌日以降に設定したところで、その日の学習が終了します。
音声ファイルの再生方法
既定の設定では、音声ファイルは自動再生する設定になっています。もし、自動再生しない場合は、単語帳のオプション設定を確認してみてください。
単語帳のオプション設定は、メインウィンドウの単語帳一覧から設定したい単語帳をクリックし、画面下の[オプション]ボタンを押すか、キーボードの[O]を押してください。
一度再生した音声ファイルをもう一度聴きたい場合は、キーボードの[R]を押すか、画面右下のドロップダウンリスト[もっと]から、[オーディオを再生]を選択してください。
復習する
既定では、普通と答えた場合の新規カードの復習期日は1日後です。一日経ったらAnkiを起動して復習しましょう。
[もう一回]ボタンは、忘れてしまった時に押します。ボタンの上に表示した時間後に再度出題します。既定では10分後です。解答を記憶し直しましょう。
[難しい]ボタンは、覚えていて難しく感じた場合に押します。
[普通]ボタンは、覚えていた場合に押します。
[簡単]ボタンは、覚えていて簡単に感じた場合に押します。
正解した場合の次回の復習期日は、過去の学習履歴によって決定します。[難しい]を押せば期日は短めに、[簡単]を押せば復習期日は長く設定します。
この復習期日を自動で管理してくれるのがAnkiの肝です。自分でやろうとすると非常に難しいので…
出題カードを全て復習し、復習期日を翌日以降に全て設定すると、その日の学習が終了します。
解答ボタンを押し間違えた!
学習中間違ったボタンを押してしまった場合にはMac OS X: Command+Z, Windows: Ctrl+Zを押してください。再度出題画面に戻ります。
復習の上限
Anki は、一日の復習枚数に上限を設定しています。初期設定は100で、100枚以上のカードが復習期日に達していても、出題数は100枚です。残りのカードは翌日以降に繰り返します。
学習を中断する
学習セッションを途中で止める方法を使い分ければ、隙間時間に勉強できるようになります。
Ankiを終了する
Ankiそのものを終了したいなら、メニューバーから[ファイル]>[終了](Mac OS: Command+Q, Windows: Ctrl+Q)を選択してください。学習セッション中で直接終了しても問題はありません。次回起動した時には、残りのカードを学習できます。
学習セッションから抜ける
Ankiを起動したまま中断したい場合は、ウィンドウ上部の[単語帳]リンクをクリックするか、[D]キーを押します。学習セッションから抜け出して、起動直後に表示する単語帳一覧に戻ります。
上の2つの方法で中断した後に、その日の内に再開すれば残りのカードを学習できます。再開した時に、一日の上限までカードを取得しなおすことはありません。
翌日以降にセッションを再開した場合は、残りのカードにその日の上限までカードが追加になります。
特定のカードだけ学習をやめる
特定のカードだけを学習対象から外して、他のカードはそのまま継続したい時は画面右下の[その他]から[ノートを延期]、[ノートを保留]、[ノートを削除]のいずれか適切なものを選びます。この3つの処理の違いについては、いま表示しているAnkiカードだけ学習をやめる方法で詳しく説明しています。
ノートを延期
翌日まで学習から除外した後、自動的にもとに戻ります。単語帳概要の [延期を解除] ボタンで解除できます。
ノートを保留
手動で解除処理するまで学習対象から除外になります。「検索」のカードの状態から解除できます。
ノートを削除
ノートを完全に削除します。検索しても出てこなくなります。
出題上限の変更
カードの出題数を変更するには、2通りの方法があります。
- 一時的に上限を変更する場合は、カスタム学習セッションを使います。
- 変更内容をそのまま使い続けるには、単語帳オプションを変更します。
学習オプションの変更
単語帳のトップページ下にある[オプション]ボタンを押すか [O]キーを押すと、オプション設定画面が開きます。
新規カードの学習オプション
既定の設定は次の通りです。
- 新規の問題の上限は一日20題です。
- 新規カードの学習ステップは1分、10分の二段階の設定です。
- 新規カードの出題順は追加順です。ランダムに出題するように変更することもできます。
- 新規カードの学習後に設定する復習期日は1日後です。
- 新規カードで[簡単]と選択した場合の復習期日は4日後です。
復習カードの学習オプション
既定の設定は次の通りです。
- 復習問題の上限は100題です。
忘却カードの学習オプション
忘却カードとは復習した時に思い出せなかったカードのことです。
- 忘れた場合の再学習のステップは10分後の一段階です。
忘却回数が設定値を超えると無駄なカード (Leech) の扱いを受け、保留するか、タグをつけるかどちらかの処理が行われます。
初期設定では[保留]に設定され、復習スケジュールから外されます。 保留を解除したい場合には検索から「保留」のカードタイプを選択してください。
おわりに
Ankiを使うのに最低限必要な操作は以上です。お疲れ様でした。
Ankiを使えば驚くほど簡単に復習管理をすることができます。忘れてもすぐにAnkiが思い出させてくれるので安心ですね。
読んでいただきありがとうございました!